キーワードリサーチの方法:完全ガイド&無料テンプレート
キーワードリサーチは、SEO戦略の基盤となる重要なプロセスです。適切なキーワードを選定することで、ユーザーをサイトに引き寄せるだけでなく、リピーターを増やすことにもつながります。
本記事では、キーワードリサーチの具体的な方法を解説し、私が日々実践しているSEOキーワードリサーチのポイントを詳しく解説します。
キーワードリサーチとは?
キーワードリサーチとは、ターゲットとなるユーザーがインターネット上での検索で使用する単語やフレーズを特定し、それに基づいてコンテンツを最適化するプロセスです。この作業を適切に行うことで、検索エンジンにおける可視性を向上させ、より多くの潜在顧客にリーチすることができます。
キーワードは単なる単語やフレーズではなく、ユーザーが解決したい疑問や課題を反映したものです。そのため、キーワードリサーチは単に検索ボリュームの多い単語を探す作業ではなく、ユーザーの検索意図を理解し、それに適したコンテンツを提供することが本質的な目的です。
キーワードはコンテンツの内容にも大きく影響を与えます。なぜなら、キーワードがユーザーの疑問をあらわしているとすれば、コンテンツはその答となるべきだからです。そのため、ターゲットとするキーワードの背後にある検索意図を正しく理解することがきわめて重要です。
検索意図には大きく以下の2種類があります。
- 情報収集型:「ピザのデリバリー方法」など、特定の情報を求める検索
- 取引・購入型:「◯◯を購入」など、具体的なアクションを前提とした検索
検索意図を正しく分析し、それに基づいたコンテンツを作成することで、より効果的なSEO施策を実現し、オーガニックトラフィックの増加やコンバージョンの向上につなげることが可能になります。
なぜキーワードリサーチは(今でも)重要なのか?
キーワードリサーチは、SEO戦略において不可欠なプロセスです。適切なキーワードを把握することで、ユーザーが情報を求めているまさにそのタイミングで、適切なコンテンツを届けることができます。キーワードリサーチの主な目的は、以下の2点です。
- ユーザーが実際に検索に使用するフレーズを特定する
- 各キーワードに対して最適なコンテンツの種類を調査する
検索エンジンが特定の検索クエリに対して適切な回答としてコンテンツを提案するためには、まずそのコンテンツの内容を正しく理解する必要があります。その判断基準の一つが、サイトのナビゲーション構造やURL構成です。検索エンジンにとって理解しやすいサイト構造をつくるには、サイト全体で扱うトピックを明確にすることが重要であり、そのための最適な手段がSEOのキーワードリサーチです。このプロセスについては、「シードキーワード」のセクションで詳しく解説します。
適切なキーワードリサーチを行うことで、長期的なSEO戦略の強固な基盤を築くことができ、結果として持続的な集客やリード獲得につながります。
いつキーワードリサーチを行うべきか?
まず、SEO施策を始める際には、最初にキーワードリサーチを行うことが重要です。これにより、以下の点を計画的に進めることができます。
- コンテンツの構成を設計する
- サイトの情報構造を整理する
- 優先的に作成すべきコンテンツを決定する
次に、キーワードリサーチは、コンテンツ制作前にも実施すべきです。なぜなら、適切なキーワードを事前に調査することで、コンテンツの構成を明確にし、関連するサブトピックを見つけることができるためです。これにより、記事内のセクションとして組み込むべき内容や、補足コンテンツとして別途作成すべきトピックを特定できます。
さらに、検索エンジンで上位表示されるには、単にタイトルタグにキーワードを入れるだけでは不十分です。検索エンジンは、ユーザーの検索意図を理解し、それに最も適したコンテンツを上位に表示するように設計されています。そのため、コンテンツを作成する前に、まずターゲットとする検索クエリの意図を正確に把握することが不可欠です。
7つのステップで実践するキーワードリサーチ
SEOに携わっている方ならご存じの通り、Googleはインターネット上の情報をトピックとサブトピックに分類し、それぞれの分野での専門性(トピック・オーソリティ)に基づいてサイトをランキングします。
つまり、ウェブサイトのランキング向上には、特定のニッチな分野に関連する多くの疑問に答える、体系的なコンテンツネットワークを構築することが重要です。より多くのユーザーの検索クエリに応えることで、その分野での権威性が高まり、検索順位の向上につながります。
キーワードリサーチを適切に行うことで、ユーザーの疑問を網羅的に把握し、検索エンジンとユーザーの両方が見つけやすい形でコンテンツを整理できます。
以下の手順で進めていきましょう。
1. メインナビゲーションの分析から始める
ウェブサイトを最適化する際、最初にすべきことは、サイト運営者が何を強調したいのかを理解することです。そのヒントとなるのがメインナビゲーションです。メニュー構造は、ビジネスの主要な優先事項を示しているため、ここからリサーチを始めることで、重要なトピックを網羅できます。
一般的に、各サイトは1つの大きなテーマに焦点を当て、そのテーマ内でサブトピックに分類されます。たとえば、Parents.com というサイトは「子育て」を主なテーマとしており、トップレベルのメニューには以下のようなサブトピックが並んでいます。
基本的に、各サイトは1つの主要なテーマに集中し、メニューにはそのテーマに関連するサブトピックが並ぶのが一般的です。例えば、parents.com は子育てに特化したサイトで、トップメニューには以下のような子育てに関するサブトピックが掲載されています。s
- 家族を持つ準備
- 妊娠
- 赤ちゃん
- 子どもの育て方
このようなサブトピックを、以降の説明では「トピック」と呼びます。
キーワードリサーチは、ここからスタートします。
各トピックごとに、シードキーワードを使って個別のキーワードリストを作成しましょう。
シードキーワードとは、あるテーマ全体を表すような広範なキーワードのことで、通常は1~2語で構成され、修飾語(形容詞や副詞など)は含まれていません。
例えば、parents.com のようなサイトであれば、以下のようなシードキーワードが考えられます
- 妊娠
- 赤ちゃん
- 子育て
シードキーワードを決めたら、お気に入りのキーワードリサーチツールに入力してみましょう。そうすることで、そのテーマに関連する多数のキーワードが表示されます。
例えば、以下のように「妊娠(pregnancy)」というシードキーワードを Similarweb のキーワードジェネレーターに入力してみました。
その結果、大量のフィルタされていないキーワードリストが得られます。このリストを Google スプレッドシートにエクスポートし、サイト内で見つけた他のトピックについても同じ作業を繰り返しましょう。
例えば parenting.com の場合、「子育て(parenting)」に関連するキーワードをエクスポートしたら、さらに以下のようなカテゴリについてもキーワードを探す必要があります。
- 家族をもつこと
- 赤ちゃん
- 子育て
これらはすべて「子育て」というテーマの中にある個別のトピックなので、スプレッドシートではカテゴリごとに別々のタブに分けて整理するとよいでしょう。
2. Google Search Console を使って、すでにランクインしているキーワードを確認する
ターゲットとすべきキーワードを素早く見つける方法のひとつが、すでに検索順位がついているが、専用のコンテンツが存在しないキーワードを確認することです。Google は、ターゲットとしているキーワードに関連する内容であれば、多少ずれていてもコンテンツを検索結果に表示することがよくあります。
そのため、既存ページにうまく組み込めないキーワードがあれば、新しいページを作成してそのキーワードをターゲットにし、元のページへリンクを貼るとよいでしょう。
こうしたキーワードは、Google Search Console の「検索結果」レポートで簡単に見つけることができます。表示されるキーワードを確認し、各トピックごとのキーワードリストに追加していきます。
操作手順:
- Search Console の「検索結果」レポートを開き、「クエリ」タブに移動します
- ランクインしているキーワード一覧を確認します
- 表示回数が多いのにクリック数が少ないキーワードを見つけます
このようなキーワードには以下の可能性があります。
- 既存のコンテンツを改善する
- 新たなターゲットページを作成し、元のコンテンツにリンクを貼る
この方法を活用すれば、より効果的なキーワードを見つけることができ、コンテンツ拡充の新たな切り口を発見できます。
3. 競合分析ツールを活用する
次のステップは、競合分析ツールを使うことです。理由はシンプルで、SEOはそもそも競争が前提の世界だからです。競合より上位に表示されるには、彼らより「少しだけ優れている」ことが求められます。
これはキーワードリサーチにも当てはまります。検索エンジンは、あるトピックをより網羅的に扱っているサイトを「より信頼性が高い」と見なし、優先的に評価します。つまり、狙いたい各トピックについて、業界トップのサイトと自分のサイトを比較し、自社サイトでまったく扱っていないキーワードを見つけることが重要です。
そのため、SEOにおいける競合分析を行う際には、以下の点を意識しましょう。
- 自社と競合のキーワードを比較する
- 競合よりも包括的にトピックをカバーする計画を立てる
例として、Similarweb の ウェブサイトエクスプローラーに「parenting.com」を入力し、競合上位4社と比較してみました。
キーワードを比較する前に確認すべきポイントがあります。今回作成しているキーワードリストは、サイト内の各カテゴリごとに分けて整理するものです。そのため、リストもトピック別にフィルターをかけて見る必要があります。ここでは「妊娠」に関するキーワードに注目しているので、「pregnancy(妊娠)」を含むキーワードだけに絞り込んでいます。
「Competitive Traffic Share(競合のトラフィックシェア)」の列を見れば、競合が検索上位に表示されトラフィックを獲得しているのに、自社サイトが対応できていないキーワードを簡単に特定できます。これにより、自社サイトのトラフィック状況や成長の余地を明確に把握できます。
これらのキーワードをエクスポートして、該当するキーワードリストに追加していきましょう。この作業は、すべてのトピックに対して行うことが大切です。
4. トピックのキーワードリストをサブカテゴリーとクラスターに分ける
ここまでのステップを完了すると、各トピックに対してかなりの数のキーワードリストができているはずです。次に行うべきは、それらを整理し、構造化することです。
1. キーワードを主要カテゴリに分類する
まずは、キーワードを大きなカテゴリごとに分けましょう。例えば「デジタルマーケティング」のキーワードリストがある場合、以下のようなカテゴリに分類できます
- Affiliate marketing
- SEO
- Content marketing
- PPC
サイト上でこれらのカテゴリーをサイロ化(カテゴリー分け)する必要があります。そうすることで、各カテゴリーが見つけやすく、ナビゲートしやすくなります。これを行う最善の方法の1つは、各カテゴリのフォルダを作成することです。
例えば:
examplesite.com/digital-marketing/seo
examplesite.com/digital-marketing/content-marketing
もう一つの重要なステップは、ページのパンくずの中に構造を含めることです。これは次のようになります。
- Blog > Digital marketing > SEO
- Blog > Digital marketing > Content marketing
2. 各カテゴリーをトピッククラスターに細分化する
次に、各カテゴリをより詳細なトピッククラスターに分けていきます。たとえば「SEO」カテゴリの場合、以下のようなクラスターが考えられます
- SEO tools
- Keyword research
- Backlinks
- On-page SEO
- Off-page SEO
それぞれのクラスターは、異なる検索意図を持つ多数のキーワードで構成され、専用のフォルダ内に整理されるべきです。つまり、SEOカテゴリのフォルダには、SEOツール、キーワードリサーチ、被リンクなどのクラスターが含まれることになります。
3. 検索意図の近いキーワードをグループ化する
同じクラスター内でも、検索意図が似ているキーワード同士をまとめてグループ化しましょう。どのキーワードが同じ検索意図をもつかわからない場合は、実際にGoogleで検索してみるのがおすすめです。Googleのアルゴリズムは検索意図を理解し、それに最も適した結果を表示するよう設計されています。
例えば、「被リンク」に関連するキーワードでは、次のような異なる検索意図が見られます。
How to build backlinks(被リンクの増やし方) | informational(情報収集目的) |
Types of backlinks(被リンクの種類) | informational(情報収集目的) |
Similarweb backlink checker(Similarwebバックリンクチェッカー) | navigational(サービス・ツールを探している) |
Backlink checker pricing(バックリンクチェッカー 料金) | transactional(取引目的) |
このように、検索意図に応じてキーワードをグルーピングし、それぞれのコンテンツには1〜5個の関連キーワードを設定するのがベストプラクティスです。これらのキーワードは、できるだけ同じまたは類似の検索意図をターゲットにするようにしましょう。
5. キーワードをウェブサイトにマッピングする
前のステップを終えたら、いよいよキーワードをウェブサイトの構造にマッピングしていきましょう。そのために、サイト全体の構成を整理したスプレッドシートを作成します。すべてのURLを含め、サイト構造(トピック > カテゴリ > クラスター)を明確に可視化しましょう。
マッピングに当たっては、以下の要素に分けて整理します。
- トピック
- カテゴリー
- クラスター
作成したキーワードマップには、サイト上の既存すべてのURLに対して、ターゲットキーワードを割り当てていきます。あらかじめ収集しておいた、検索意図が類似するキーワードをもとに、それぞれのURLに対して1〜5個のキーワードを設定するのが理想です。
サプライズボーナス: キーワードマッピング用のテンプレートをご用意しています!キーワードマッピングテンプレートを入手すれば、すぐにURLとキーワードのマッチングを始めることができます。
6. キーワードにタグを付けて、順位をトラッキングする
SEO対策を行う上で、結果の追跡は非常に重要です。トラッキングなしでは、何が効果的で何がそうでないかを判断できません。まずは、先ほど作成したキーワードマップから、すべてのキーワードをお気に入りのランクトラッカー(順位追跡ツール)に登録しましょう。
登録する際には、キーワードごとにトピック別のタグをつけて分類します。これにより、各トピックのパフォーマンスを個別に分析できるようになります。
上記は、Similarwebの ランクトラッカーのタグ分析レポートの例です。hubspot.com
におけるキーワードタグの分類が表示されており、次のようなクラスターに分かれています。
- Miscellaneous
- Digital marketing & tools
- Search engines and SEO
- Content marketing
- Etc.
ランクトラッカーでキーワードクラスターを整理することで、各クラスターの全体的なパフォーマンスを評価し、さらに各グループ内の特定のキーワードの個々のパフォーマンスを追跡することができます。
例えば、以下のようにSearch Engines and SEO(検索エンジンとSEO)クラスターにおける各キーワードの順位推移を可視化することができ、効果的な分析が可能になります。
7. SEOロードマップを作成する
現在のコンテンツをマッピングし終えたら、次は新規コンテンツの計画を立てる段階です。ここで役立つのが「SEOロードマップ」です。
SEOロードマップには、以下のようなメリットがあります。
- 今後作成すべきコンテンツが明確になる
- コンテンツ制作の優先順位をつけられる
プロからのアドバイス: 正しい計画と優先順位づけは、SEOで成功するために欠かせません。できる限り丁寧にロードマップを作成しましょう。私自身もこのテンプレートを使ってロードマップを管理しています。ぜひコピーして活用してみてください。
おすすめの進め方は、「1つのコンテンツクラスターに集中して取り組む」ことです。その際に有効なのが、「ピラーコンテンツとサポートコンテンツ」のモデルです。
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ピラーコンテンツ:あるトピックについて網羅的に解説する中心的なコンテンツ(例:SEO完全ガイド)。関連する複数のサブトピックのハブとして機能します。
- サポートコンテンツ(クラスターコンテンツ):特定のサブトピックにフォーカスした記事やブログ投稿(例:SEOツールの比較、被リンクの増やし方など)。ピラーコンテンツに内部リンクでつながる構造をつくります。
このように構造化することで、検索エンジンに対してトピックの専門性と関連性を示すことができ、サイト全体の評価が高まり、検索順位の上昇につながります。
ピラーコンテンツは、検索ボリュームの多い競合性の高いキーワード(例:SEO)をターゲットとします。競争が激しいため、単体では順位を上げにくく、サポートコンテンツの支援が必要です。
サポートコンテンツは、検索ボリュームは少ないものの競合が少ない「ロングテールキーワード」をターゲットにします。短期的にトラフィックを得やすく、成果も見えやすいため、まずはこちらから取り組むのがおすすめです。
Similarwebのキーワードジェネレーターを使えば、「キーワード難易度」フィルターを使って簡単にロングテールキーワードを見つけることができます。まずはこうしたキーワードで順位を確保し、サイトの専門性を築いた上で、ピラーコンテンツに取り組むと、効果的にSEOの成果を積み重ねることができます。
無料のキーワードリサーチテンプレート
まだチェックしていなかった方のために、シンプルで使いやすいキーワードリサーチ用テンプレートをご用意しています。この記事で紹介したすべてのステップをカバーしており、各ステップごとにタブが分かれているため、作業の流れが追いやすくなっています。テンプレートはこちらから取得できます。
キーワードリサーチ:理想のオーディエンスにリーチするための鍵
キーワードリサーチは、SEOの基礎でありながら、常に改善の余地がある領域です。スキルを磨けば磨くほど、より質の高いインサイトが得られます。その結果、どのようなコンテンツを作るべきか、どのように収益を上げるかといった判断にも大きな影響を与えます。
まず覚えておきたいのは、データの質が高ければ高いほど、SEOでの優位性が高まるということです。
よくある質問(FAQs)
Q. キーワードリサーチはどのように進めればよいですか?
A. 効果的なキーワードリサーチの方法は、一つのトピックに集中して調査を進めることです。
- キーワードジェネレーターに「シードキーワード(種となるキーワード)」を入力し、関連キーワードを抽出
- 抽出したキーワードをトピックやサブトピックごとに分類
- Google Search Consoleで新たなキーワードの機会を発見
- 競合他社と自社のキーワードを比較・分析
Q. 無料でキーワードリサーチはできますか?
A. はい、可能です。以下のような無料ツールを使えば、基本的なキーワードデータを取得できます。
- Similarwebの「無料キーワードジェネレーター」
- Googleキーワードプランナー
- Ubersuggest
- Answer the Public
ただし、これらのツールは基本的な情報に限られており、詳細なデータを得たい場合は、Similarwebの有料版キーワードジェネレーターの利用をおすすめします。
Q. Googleが提供しているキーワードリサーチツールはどれですか?
A. Googleキーワードプランナーが、Googleが提供する無料のキーワードリサーチツールです。
Wondering what Similarweb can do for you?
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